最近、CDと同時にレコード(LP)を発売するアーティストが増えてきていますよね。
King Gnu、米津玄師さらには海外アーティストも続々と限定盤をリリースしています。
一見すると、音楽は完全にサブスク時代に移行したように思える今、
なぜわざわざ場所を取る・高価なレコードが見直されているのでしょうか?
それは、レコードにしかない「音楽を聴く以上の体験価値」があるからです。
この記事では、今再びレコードが選ばれている理由を掘り下げていきます。

というか”LP”って何?

昔、片面3分ほどしか再生できなかったSP盤(Standard Playing)に対して
アルバム単位で聴ける長さの規格としてLP = Long Playingという呼び名で登場したのが定着しているんだよ。
レコードの魅力って何?
音があたたかい——圧縮されていない“空気感”のある音
レコード最大の魅力といえば、やはり「音の質感」。
サブスクやCDは“デジタル圧縮”という処理が入るため、耳には届きにくい細かな音のニュアンスや空気の揺れが削られてしまうことがあります。
一方、レコードはアナログ音源。波形をそのまま物理的に刻み込んでいるので、
- ボーカルの息づかい
- ドラムのアタックと余韻
- ホールに響く残響
といったディテールが驚くほど立体的に感じられます。
「音があたたかい」「やわらかい」と言われるのは、その“圧縮されていない情報量の多さ”に由来します。
デジタル音源では削られてしまうような微細な倍音や空気の振動まで、アナログはそのまま残してくれます。
たとえるなら、高級イヤホンで聴く音楽が“ディテールを拡大した精密画”だとすれば、
レコードで聴く音楽は、“ライブ会場の空気感をまるごと閉じ込めた写真”のようなもの。
耳で聴くだけでなく、身体でも感じられる音——それが、レコードの「あたたかさ」と「迫力」の正体です。
レコードを所有する意味——“モノを持つ意味”が再評価されている
かつては「CDを買う」ことが音楽ファンの証でしたが、サブスクが主流になった今、
「買わなくても聴ける」時代に突入しています。
その結果、CDの存在感が薄れ、単なる“入れ物”としての役割しか果たせなくなってきました。
でも、レコードは違います。
- 大判のアートワーク
- 重厚な質感
- ジャケットから盤を取り出す所作
- 棚に並べる楽しさ
レコードには、音楽を“持っている”という満足感があります。
それは所有欲ではなく、“愛着”の問題。推しのアーティストの作品を、聴くためだけではなく「傍に置いておきたい」と思えるのが、レコードというメディアなのです。
デジタルにはない、「視覚・触覚・聴覚」をフルに使った体験こそが、
いまレコードを選ぶ理由になっています。
レコードはこんな人におすすめ!
音楽を「流す」のではなく「向き合いたい」人
1曲ずつ飛ばすのではなく、A面B面を通して聴くことでアルバム全体の世界観が味わえます。
特にコンセプトアルバムが好きな方にはピッタリです。
インテリアとしても音楽を楽しみたい人
ジャケットの大きさとアート性は、レコードならでは。
お気に入りの1枚を部屋に飾ることで、空間に“自分らしさ”が加わります。



レコード一枚飾ってるだけで「あ、こいつ違うな」ってなるよね。
“モノとして音楽を残したい”と感じる人
データは消えるけど、レコードは手元に残る。
サブスクがメインになった今だからこそ、「残したい音楽」だけを持つ価値が光ります。

ちなみにレコードの原盤(音源の溝を乗せる前の状態)を生産しているのは
世界で一つ、しかも日本の企業一社のみなんだよ・・・
レコードを始めるには?【初心者でも大丈夫】
最初に必要なのはこの2つだけ
- レコードプレーヤー
- スピーカー内蔵モデルなら、届いたその日から再生できます。
- Bluetooth対応モデルを選べば、スマホ用スピーカーにもつなげて使えます。
- お気に入りの1枚
- まずは「ジャケ買い」や「推しのアルバム」からでOK!
- 特に再発盤(リイシュー)や180g重量盤は、音質が安定していて初心者向け。
おすすめのレコードプレーヤー!

今販売しているレコードプレーヤーは基本的に外部オーディオに対応してるから
本体だけ買って自分の持ってるオーディオに繋げば聴けるよ(イヤホンとかでも)
とりあえずレコードを聴いてみたい人


入門編には全然アリ。
まずはレコードに針を落とす感覚を味わおう。
ちょっとおしゃれに聴きたい人


昔流行ってて憧れてたんだよな~
持ち運びできてお洒落だけど、レコードがむき出しになるから取り扱いには気をつけろ!
高音質で楽しみたい人


針で拾った音をデジタル向けに最適化してくれる。
デザインもお洒落だ。
音楽と“じっくり向き合う”ためのレコード体験を
サブスクやCDで手軽に音楽を楽しめる今、あえてレコードを選ぶ人が増えているのは、
そこに「音を聴く以上の価値」があるからです。
- 圧縮されない、あたたかい音
- モノとしての重みと所有感
- 音楽に集中できる時間
- 飾ってもかっこいいジャケットデザイン
どれも、レコードにしかない体験です。
「ちょっと気になるかも」と思った方は、まずは一枚、
お気に入りのアーティストのレコードを手に取ってみてください。

自分の好きなアルバムをセットして針を落とす——
強めの酒を片手に音楽に陶酔する——
そんな自分の時間も悪くないよ。